大野市は日本でも有数の「化石の宝庫」です

明治15年、大野市下山で日本で初めてのジュラ紀のアンモナイトが発見されました。 その後の研究では、「シュードニューケニセラス・ヨコヤマイ」と名付けられた、 世界でこれまでに大野市とチベットの2ヶ所でしか発見例のないジュラ紀のアンモナイトも報告されています。 このような研究の積み重ねにより、大野市では約1億6600万年前(中期ジュラ紀)から約1億6000万年前(後期ジュラ紀)にかけての 様々なアンモナイトの産出が知られるようになり、現在ではアジアの重要なアンモナイト研究の拠点として国際的に評価されています。 近年では、約1億2700万年前(前期白亜紀)の地層から恐竜の歯化石が発見され、北陸地方の重要な恐竜化石の研究拠点としても注目されています。

地域で見る大野市の地質

地図
  • 891c2e火成岩
  • ea6565面谷流紋岩類
  • 910782林谷安山岩類
  • d9eac4手取層群 
  • cee9f9九頭竜層群
  • fff57f美濃帯
  • edcde1飛騨外縁帯構成岩類
  • 103e20飛騨変成岩類

大野市には、古生代から中生代までの地層が分布し、それぞれの地層から化石が発見されています。それらは学術的に重要な地層で、明治時代から地質や産出する化石を対象とした調査研究が行われています。古生代の化石は、飛騨外縁帯構成岩類から産出し、三葉虫、フズリナ、サンゴ、ウミユリ、腕足類などの化石が発見されています。中生代ジュラ紀の化石は、九頭竜層群から産出し、アンモナイト、ベレムナイト、イノセラムスなど海に生息する生き物の化石が発見されています。中生代白亜紀の化石は、手取層群から産出し、恐竜や貝、シダの葉など陸上に生息する動植物の化石が発見されています。

地質時代で見る大野市で発見された化石

今から約6600万年前

中生代

白亜紀

鳥脚類恐竜の歯

約1億2700万年前(前期白亜紀)

2016年に発見された植物食恐竜の歯です。

トリティロドン類の切歯

約1億2700万年前(前期白亜紀)

哺乳類と姉妹関係にある動物で、大きさは現在のネコや小型犬くらいです。

鳥類の足跡

約1億2700万年前(前期白亜紀)

鳥類の足跡化石としては、日本最古のものです。 ※福井県立恐竜博物館所蔵

カメ類の甲羅

約1億2700万年前(前期白亜紀)

カメ類の化石は恐竜化石発見の手掛かりとなります。

シナミア属魚類のガノイン鱗

約1億2700万年前(前期白亜紀)

遊離した鱗などの化石が淡水域で堆積した地層から発見されています。

ミレーネ・テトリエンシス(アイスランドガイの仲間)

約1億2700万年前(前期白亜紀)

川と海の水が混じり合う河口付近などに生息していた二枚貝です。

メガスファエリオイデス属の一種(マメシジミガイの仲間?)

約1億2700万年前(前期白亜紀)

川や湖などの淡水域に生息していた大型の二枚貝です。

ウニオ属の一種(イシガイの仲間)

約1億2700万年前(前期白亜紀))

川や湖などの淡水域に生息していた二枚貝です。

メラノイデス・ブルガリス(カワニナの仲間)

約1億2700万年前(前期白亜紀))

巻貝の一種。シジミの仲間と一緒によく見つかります。

ビビパルス・オノゴエンシス(タニシの仲間)

約1億2700万年前(前期白亜紀)

川や湖などの淡水域に生息していた巻貝です。

エキゼチテス属の一種(トクサ類)

約1億2700万年前(前期白亜紀)

湿った土地に生えているトクサの茎に似ています。茎に種がついたものがよく見つかります。

ニルソニア・ニッポネンシス(ソテツ類)

約1億2700万年前(前期白亜紀)

中生代に繁栄したソテツ類で、さまざまな形の葉が発見されています。

オニキオプシス・エロンガータ(シダ類)

約1億2700万年前(前期白亜紀)

現在のタチシノブの葉によく似ています。

クラドフレビス属の一種(シダ類)

約1億2700万年前(前期白亜紀)

中生代を代表するシダ類です。

ポドザミテス・ライニイ(球果類)

約1億2700万年前(前期白亜紀)

現在のマキの葉に似ています。

今から約1億4500万年前

ジュラ紀

ペリスフィンクテス・マツシマイ

約1億6000万年前(後期ジュラ紀)

約1億6000万年前の「ジュラ紀オックスフォーディアン」と呼ばれる時代に生息していました。

シュードニューケニセラス・ヨコヤマイ

約1億6600万年前(中期ジュラ紀)

世界で大野市とチベットの2ヶ所でしか発見例のないアンモナイトです。

パラパトセラス属の一種

約1億6600万年前(中期ジュラ紀)

大野市で発見されているジュラ紀の異常巻きアンモナイトです。

フィロセラス属の一種

約1億6600万年前(中期ジュラ紀)

殻の表面に目立った装飾があまりないタイプのアンモナイトです。

チョファッティア・ラエビラディアータ

約1億6600万年前(中期ジュラ紀)

約1億6600万年前の「ジュラ紀カロビアン」と呼ばれる時代に生息していました。

イノセラムス類(二枚貝)

約1億6000万年前(後期ジュラ紀)

ジュラ紀から白亜紀にかけて海で繁栄しました。

ボシトラ属の一種(二枚貝)

約1億6600万年前(中期ジュラ紀)

大野市のジュラ紀アンモナイト産地でよく見つかる二枚貝です。

ベレムナイト類

約1億6600万年前(中期ジュラ紀)

中生代にいた現在のイカの姿に似た生き物です。化石として残るのは、体の固い部分で、「矢石」と呼ばれています。

今から約2億100万年前

今から約2億5200万年前

古生代

今から約3億5900万年前

デボン紀

ケニーテス属の一種(サンゴ類)

約4億年前(デボン紀)

ハチの巣の模様に見えるので「ハチノスサンゴ」と呼ばれています。

ファボシテス属の一種(サンゴ類)

約4億年前(デボン紀)

ハチの巣の模様に見えるので「ハチノスサンゴ」と呼ばれています。

ウミユリ類

約4億年前(デボン紀)

植物のような姿をしていますが、実はヒトデやウニの仲間です。

アトリッパ属の一種(腕足類)

約4億年前(デボン紀)

スピリファーという種類の腕足類です。

今から約4億1900万年前

シルル紀

エンクリヌルス属の一種(三葉虫類)

約4億4000万年前(シルル紀)

古生代を代表する生き物で、大野市では尾の部分が発見されています。 ※写真はラバーキャスト

今から5億4100万年前

今から約46億年前 地球誕生